更年期で睡眠の質の低下も…日本女性の睡眠時間が短い理由
「たくさん寝たのにスッキリしない」「年齢を重ねるにつれて眠りにくくなった気がする」「夜中に何度も目を覚ましてしまう」など睡眠の悩みを抱えている人は少なくないのでは? 特に今の季節は熱帯夜が続き、寝苦しいと感じている人も多いことでしょう。
睡眠の質向上やストレスを緩和する機能が報告されているヤクルトの乳酸菌飲料「ヤクルト1000」が、爆発的なブームとなり品切れが続くなど、睡眠は現代人にとって大きな関心ごとの一つと言えそうです。
経済協力開発機構(OECD)が2018年に行った調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分。加盟33カ国のなかでも最低となっており、全体平均8時間27分を1時間以上も下回っています。なかでも、日本女性は、仕事に家事、育児、介護などに追われて、十分な睡眠時間を確保できず、日本男性よりも短い状況です。加えて、40代以降は更年期も重なり、睡眠の質の低下も懸念されます。
家事や育児、介護など女性にのしかかる負担を少しでも軽くするべく社会制度を整えていくことも大事ですが、同時に睡眠の質を少しでも高めるために何ができるでしょうか? そこで今回は、今日からできる睡眠習慣について紹介します。
わたしの睡眠の質は? ブレ睡眠度チェック
まずは、自分の睡眠がブレていないかどうかチェックしてみましょう。“ブレ睡眠”とは、ストレスや疲労、不安などで、規則正しい生活リズムがブレてしまい、眠りのサイクルが乱れてしまうこと。睡眠の質が低下すると、ストレスや疲労が蓄積され、負のスパイラルに陥ってしまうので注意が必要です。
“ブレ睡眠”チェック
しっかり寝たつもりでも疲れが抜けない
布団に入ってもすぐに寝つけない
昼間に家事や仕事をしてもボーッとする
不安やストレスで眠れないことがある
年を重ねてから眠りが浅くなった
いつも寝不足でやる気が起きない
夜中に何度も目が覚める
一つでも当てはまった方は、“ブレ睡眠”かもしれません。睡眠の質を改善するには、毎日の生活習慣を見直したり、睡眠にとって大切な栄養素を補ったり、運動で体を動かしたりして、“ブレない睡眠”を習慣づけることが大切です。
年齢が上がるにつれて眠りが浅くなってる気がするのはなぜ?
そもそも、睡眠とはどのようなしくみなのでしょうか。睡眠時は、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2つのサイクルを交互に繰り返しています。浅い眠りである「レム睡眠」は、脳が目覚めて記憶を整理している状態。一方で、深い眠りである「ノンレム睡眠」は、脳が休息して記憶を定着させている状態です。一般的に、睡眠の前半は「ノンレム睡眠」、後半は「レム睡眠」が多く現れます。
また、前半に現れる「ノンレム睡眠」は比較的深い眠りですが、後半に現れる「ノンレム睡眠」はだんだんと浅い眠りが増え、朝の目覚めに向けて準備を始めます。しかし、年齢を重ねるにしたがって、深い「ノンレム睡眠」が減り、浅い「ノンレム睡眠」が増えてきます。そのため、寝つきが悪くなり、夜中に目を覚ましてしまうことも多く、さらに睡眠時間も短くなります。
ぐっすり眠るためのおやすみ習慣
年齢とともに変化が生じてしまう睡眠の質や睡眠時間。“ブレない睡眠”で睡眠の質を上げると、短時間での睡眠でもしっかり休息がとれて、心も体も健やかに過ごせます。そこでここからは、睡眠の質を上げるための3つのおすすめ習慣をご紹介します。
「寝る時間と起きる時間のサイクルを一定に保つ」…規則正しい生活を繰り返すことで、睡眠と覚醒のリズムが整って、ホルモン分泌や体温が調節され、睡眠の質を上げることにつながります。休日もできるだけ、サイクルを一定に保つように心がけましょう。
「朝目覚めたら日光を浴びる」…日光を浴びることで体内時計が整い、就寝時間に向けて自律神経やホルモン分泌が調節されます。テレワークなどで外に出ない人も、朝起きて散歩をしたり、カーテンを開けて明るい部屋で過ごしましょう。
「糖質を控える」…糖質を摂りすぎると、交感神経が活発になり、興奮状態になってしまいます。その結果、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりするので、糖質が多く含まれる炭水化物やスイーツなどは控えめにしましょう。
また、寝る前のNG習慣として、「スマートフォンを見る」「アルコールを摂取する」「食事をとる」が挙げられます。どれも、睡眠の質を下げる原因になるので、毎日の習慣になっている人はご注意を。ちょっとした工夫で睡眠の質は改善するので、「スマートフォンを寝室に持ち込まない」「アルコールと一緒に水を飲む」「寝る2時間前までに食事を終わらせる」といった行動を実践してみてくださいね。
大人でも分泌される成長ホルモン
睡眠の質を上げるためには、毎日の生活習慣に加えて、睡眠をサポートしてくれる栄養素をしっかり摂ることもポイントの一つ。これが4つ目のルールです。
入眠後、最初に訪れる深い「ノンレム睡眠」で、成長ホルモンの分泌が最大になるため、寝る前に、体の修復に必要なビタミン・ミネラル類を補うことが大切です。成長ホルモンの働きと相まって、疲労によるダメージを軽減し、睡眠の質を改善してくれます。「成長ホルモンって大人になっても出るの?」と思われる方も多いかもしれませんが、大人でも分泌されます。
しかし、毎日の食事から、これらの“睡眠栄養”をまんべんなく摂るのはなかなか大変。そんなときは、手軽に栄養素を補えるサプリメントがおすすめです。
サプリメントと言うと、「眠るためとは言え、薬を飲むのは怖い」という人もいるかもしれません。
薬剤師で漢方カンセラーの大久保愛(おおくぼ・あい)先生は睡眠薬とサプリメントの関係について「睡眠薬には、ベンゾジアゼピン系やバルビツール系、非ベンゾジアゼピン系など種類がありますが、睡眠時の不快症状を減らすことを目的とし選択されます。そのため、種類によっては服用することで浅い睡眠の時間が増え深い睡眠が減少してしまう場合もあります。
一方、栄養成分を摂るインナーケアは、ノンレム睡眠の質を向上し日中のパフォーマンスを上げることが目的となることが多いです。ご自身の目的に合わせて医薬品やサプリメントを使い分けるのが良いと思います」と説明しています。
薬剤師で漢方カウンセラーの大久保愛先生
睡眠は、日中の疲労を回復してくれたり、ストレスを緩和したり、ホルモンバランスを整えたり、私たちの人生で大きな役割を担っています。健やかな毎日を過ごすために、睡眠の質を上げることは不可欠です。“ブレ睡眠”の方は、今回ご紹介したおすすめ習慣を実践したり、睡眠をサポートしてくれるサプリメントを活用して、“ブレない睡眠”を目指しましょう!
ナイトルーティンに取り入れたい「ナチュネル」
休息感をサポートする、お茶に特有に含まれるアミノ酸の一種であるL-テアニン200mgと、身体の土台作りをサポートするテトラセルミス末(SOD含有)を配合。そして、不足しがちなビタミン8種類(ビタミンB1・B2・B5・B6・B12、ビタミンC、ビタミンD、ナイアシン)と、ミネラル4種類(マグネシウム、亜鉛、鉄、カルシウム)を配合したサプリメントです。
(監修:大久保愛)